ポスターやwebページ、フォントをチェックする時に仮で入れる文章をダミーテキストという。MacbookのFont bookでフォントを確認する時には宮沢賢治の『ポラーノ広場』が表示され、Adobe Illustratorでテキストボックスをつくる時には夏目漱石の『草枕』が表示されていた。(現在は何も表示されない)。 漢字・カタカナ・ひらがなが程よく散りばめられた文章を仮で入れることで実際に印刷する際のなんとなくのイメージを掴むことができる機能を持っている。 青空文庫には、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品が15,000点以上公開されており、無料で読むことができる。それらのテキストは基本的に自由にダウンロードし、再配布することができる。[1] それら既存の文章の中から、展覧会や作品と関係がありそうな文章を抜き出し、ダミーテキストとして記載したハンドアウトをデザインし、設置・配布する。 もちろん文章は、私のつくる展覧会や作品を意識して執筆されていない。しかし私が恣意的に選んでいるため、どことなく展覧会や作品と紐づいて読めてしまう。 全く無関係な(既存の/ レディメイドの)文章が恣意的に選択されたことによって、補足や説明のためのハンドアウトとしての機能を持つかもしれない。でも、全く関係ない。

───────── [1]青空文庫「青空文庫収録ファイルの取り扱い規準」(https://www.aozora.gr.jp/guide/kijyunn.html)


青空のハンドアウト(ポラーノ広場)(2025)

展示「スルースキル(平年より高い)」

「あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。」──宮沢賢治『ポラーノ広場』(1934)

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青空のハンドアウト(草枕)(2026)

展示「モノのレトリック」

「余は常に空気と、物象と、彩色の関係を宇宙でもっとも興味ある研究の一と考えている。色を主にして空気を出すか、物を主にして、空気をかくか。または空気を主にしてそのうちに色と物とを織り出すか。画は少しの気合一つでいろいろな調子が出る。この調子は画家自身の嗜好で異なってくる。それは無論であるが、時と場所とで、自ずから制限されるのもまた当前である。」──夏目漱石『草枕』(1906)

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